ネットが普及した今、なぜ技術書を買うのか【結論:「信頼性」と「効率」を買っている】

最近のエンジニアやプログラマーは技術書を買わないとよく聞きます。

これだけ無料で良質な情報がネットに溢れた時代ですから、そういう流れになるは当然かと感じています。

ですがそんな世の中になっても未だに新しい技術書が発売され続けているのは何故なのでしょうか。

理由は単純で、それはまだ技術書を必要としているエンジニアがいるからですね。

僕もその一定層の一人です。

今回はこの調べれば無料で何でも分かる時代に何故わざわざお金を出して技術書を買うのか、自分の考えをつらつら書いてみようと思います。

技術書のメリット

まずはざっと自分が考える技術書のメリットを挙げてみます。

  1. 正しい情報が得られる
  2. 実績や権威のある著者からの情報が得られる
  3. 体型的に情報が得られる

正しい情報が得られる

まず技術書ではネットの情報よりもある程度正しい情報を手に入れる事ができます。

技術書は、と言うよりも、書籍って発売するのに結構ハードルが高いものです。

中身の内容が間違っていないか、変な表現が入っていないか等を何人もの偉い大人が確認して、その検閲をくぐり抜けてやっと発売されるのです。

それだけ慎重に慎重を重ねられているので、ある程度の信頼性は担保できているであろうと僕は考えています。

さっきから「ある程度」と書いているのは、それでもたまに間違った記載が入っている事があるからです。

例えば「技術の進歩によって技術書の中に書かれている情報やコマンド、プログラムが古くなってしまって使い物にならなくなる」などが挙げられます。

この辺はデメリット編「賞味期限がある」の箇所で解説します。

実績や権威ある著者からの情報が得られる

次に技術書では実績や権威のある著者から直接情報を得ることができます。

これはネット上で検索しても出てこない貴重な情報です。

例えば、

  • 機械学習を使ったサービスを開発している会社のCEOが書いた機械学習についての本
  • Googleのエンジニアが「良いコードとは何か」をまとめた本
  • 世界中の有名企業のエンジニアのエンジニアリング論をまとめたエッセイ本

など特定分野で実績ある著者達がこれまでに経験してきた事、持論、知識を惜しみなく本に書いてくれている訳です。

これだけでも技術書を買う理由になるのではないでしょうか。

実際にそういった著者の方の話を聞くのにセミナーに登壇してもらったりすると結構お金がかかってしまいますが、技術書であれば数千円で買えてしまうのでその点もメリットだと感じています。

体型的に情報が得られる

技術書はその分野の体型的な知識や情報が網羅されている事が多いので、効率的に学習をすすめる事ができます。

例えばPythonの入門書を買ったら同じ著者が環境構築から基礎文法、初学者向けの機械学習くらいの範囲を一冊で大体網羅してくれています。

やはり著者が同じであれば書いてある内容と内容の繋がりがしっかりしていてまとまりがあって、初学者でも理解しやすいはずです。

一方ネットで調べると断片的な情報が多く、環境構築の記事、基礎文法の記事、初学者向けの機械学習の記事と別々に探して来なくてはなりません。

しかもそれらの記事は著者がそれぞれ違う事の方が多いので情報のまとまりが無く、個々の知識は分かっても全体像が分かりにくいのではないでしょうか。

技術書のデメリット

ここからは自分が考える技術書のデメリットを挙げてみます。

  1. 賞味期限がある
  2. コピペできない
  3. お金がかかる

賞味期限がある

現代のIT技術は日進月歩で日々進化し続けられている中で、1年前でスタンダートだった知識が今では使われなくなっるみたいな事が往々にしてあります。

もちろん書籍は基本的に一度発売したら後から修正が効きませんから、発売日から数年経過している技術書に載っている内容は今では使えない物になっている可能性が高いです。

特にプログラムのコードが載っている技術書が特にそうなりがちで、言語やフレームワークのバージョンが変わるだけでコード仕様がすぐ変わったりします。

ただその辺りは定期的に改版で修正されていくのが場合も多いので、少し古い技術書を買う時は中身をしっかり確認して、かつ最新の版番を買うのを心がけましょう。

コピペできない

個人的にはこれが一番大きなデメリットだと感じています。

少し話が逸れますが、個人的にプログラミングが上達するコツは「とにかく沢山プログラムを動かしてみる事」だと感じています。

実際にどんどんプログラムを動かしてみて動きを確認し、その都度コードに対する理解を深めていくのが一番効率よく直感的にプログラミングを理解できるのではないかと思います。

その流れの効率を上げるにはコピペの機能は必須になってきます。

ですが技術書は基本紙媒体なのでコピペができません。

コピペができないと実行したいコマンドを毎回自分で入力して叩く事になるので、コマンドミスをしたり、入力に時間がかかったりしてあまり効率よくプログラムを動かせなくなります。

その結果、集中力やモチベーションが低下したり、学習効率が悪くなる事にも繋がります。

このデメリットは非常に大きいので、電子書籍版と紙版両方あるのであれば電子書籍版を買うのをおすすめしたいです。

(電子書籍版でもpdfとかでコピペできないものもありますが…)

お金がかかる

技術書は平均2000円~4000円程するのが相場になっていて、普通の書籍よりも割高になっています。

そうなると気軽に何冊も買うのはちょっと億劫になってしまいますよね。

ただ先程メリットで挙げた通り、ある程度情報の信頼性を担保してくれていて、実績や権威ある著者からの情報が得られるのでその分込みの価格と考えたら腑に落ちるのではないでしょうか。

個人的には自分の成長の為に必要な出費と考えているので、欲しい知識の本があれば気にせず購入する様にしています。

まとめ:「信頼性」と「効率」を買っている

先程メリットで挙げた3つの理由を要約してみると、「信頼性」と「効率」を買っていると言い換えられます。

つまりは実績や権威のある著者が書いた本から体型的に情報を吸収することで、信頼性の担保された知識を効率よく得ることができるという感じです。

その効果や価値を考えると、僕個人は冒頭で触れた通りまだ技術書を買い続ける価値はあると思いました。

時間はみんな平等に有限ですし、より少ない時間で効率を高めて行くのがいいかなと自分なりに考えた結果です。

今までネットで調べるのみで独学してきた方は是非一度気になる技術書をお手に取って併用して学習してみてください。

ネットで得られた断片的な知識と技術書で得られた体型的な知識が合わされば知識の定着率は飛躍的に上昇するのは間違いないと思います。

この意見がプログラミング初学者の参考になれば嬉しいです。

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