この度初めてハッカソンに参加する機会があり、運よくチームとしてファイナリストに選ばれたので体験を備忘録として残しておきます。
以前の自分のように
ハッカソンって何するの?
ハッカソンってつよつよエンジニアの腕試しイベントでしょ?
と思っていた人もイメージが変わると思うので是非最後まで読んでみてください。
目次
参加したハッカソンについて
今回参加したのは都知事杯オープンデータハッカソンです。
東京都が主催するハッカソンで、東京都が公開しているオープンデータを活用して行政課題の解決に向けたサービス開発やアイデア提案を行うイベントです。
都庁各局や区市町村から各々が解決したい課題を提示され、それに対するシビックテックのアイデアを取り入れた成果物、またはアイデア自体で競います。
シビックテックとは、市民(Civic)がテクノロジー(Technology)を活用して地域課題解決を目指す取り組みです。
2024年度の参加人数は900名以上、106チームと結構な規模感です。
(その内ファイナリストは24チーム)
ちなみにこの都知事杯は多くの人が考える普通のハッカソンとは違い長期のスケジュールで開催されていて、
- アイデアソン(アイデア検討)
- ハッカソン(プロトタイプ開発)
- First Stage(一次審査)
- Final Stage(最終審査)
- Demo Day(成果物発表)
の順で進んで行きます。
First Stageで勝ち残ってファイナリストに選ばれたチームは作った任意ですがプロトタイプを社会実装するフェーズがあります。
執筆時点ではまだFinal Stageが終わった所なのでまだ社会実装フェーズで、絶賛開発中です。
なぜ参加したか
きっかけは前の職場から親しくしてもらっている先輩エンジニアからのお誘いでした。
自分自身、ハッカソンというイベントに今まで参加した事がなかったですし、シンプルに自分がよく知っている優秀なエンジニアの人達と一緒に一つの目標に向かってアプリが作れる状況が楽しそうだったので参加してみました。
日頃から思ってる事ですが、普段ソフトウェアエンジニアとして働いていて本業しかしていないとその職場で使用している技術、一緒に働いている人、使っているツールなどにしか触れられずキャリア的な視野が狭まってしまいがちです。
その解決策としてハッカソンへの参加はとても有意義であるとも考えました。
本業だけでは得られない技術的好奇心や探究心が刺激になってとても楽しかったです。
何を作ったか
せいかつがかりというチームで三鷹市が提示した行政課題である「熱中症の危険度やクーリングシェルターの情報発信」をテーマにアイデアを考えました。
部門はサービス開発部門です。
アプリ名は涼ナビで、「暑い日も出かけたい人をサポートしよう」というスローガンでプロトタイプを開発しました。
メインの機能は自治体が運営しているクーリングシェルターやTOKYOクールシェアスポット、Tokyowater Drinking Stationなどをマップで簡単に検索できるというものです。
他の機能としては下記などがあります。
- 現在の位置情報や、指定した地域の天気や気温情報などを表示する事に加えて暑さ指数(WBGT)も表示し、熱中症への警戒を促す
- クーリングシェルターなどへの継続利用でスタンプが配布され、インセンティブがもらえる機能
- アプリを開かなくても気軽に涼しいところが検索できるウィジェット機能
最近は毎年の様に暑い夏が続いている中で、屋外での活動は常に熱中症リスクと隣り合わせです。
せっかく自治体が用意してくれているクーリングシェルターなどがうまく活用されておらず、認知度も非常に低いのでこの課題を解決できれば積極的に暑さを回避できたり、熱中症を予防できて市民のQOLが上がるのではないかと考えて作ったアプリです。
自分の役割について
自分含め、エンジニア4人で参加したのですがプロトタイプ開発では自分は主にアイデア検討とUI設計を担当しました。
社会実装フェーズではFlutterでのアプリ開発も担当します。
エンジニアあるあるですが、UIには結構苦手意識が強く、今の仕事でもなるべく関わらない様にしているのですが過去今までに見てきた洗練されたUIを思い出しつつ自分なりにインスパイアを受けて絞り出しました。
涼ナビがユーザーに涼しいという体験を提供するものなので、アプリ使用時にも視覚的に涼さを感じてもらえるようなひんやり感のする配色にしたり、文字情報を少なくしてアイコンやイラストでの表現を増やすなどを工夫しました。
苦労の甲斐あってチームメンバーからは好評でしたし、三鷹市の職員さんからも見やすいとお褒めの言葉を頂けました。
こうして自分の成果物が人に認められるのは素直に嬉しかったです。
参加してみての感想
やっぱり機能開発にAIを活用しているプロダクトはインパクトが強いなと思いました。
Final Stage進出チームの半分近くは何かしらの機能でAIを活用している印象で、自分自身AIをどう活用したらいいのか、どう実装に落とし込めるのかまだまだアイデア不足の所があったので色々なプロダクトを見て非常に勉強になりました。
また、今回参加するまでハッカソンって技術ゴリゴリのつよつよエンジニアが結集してすごいサービスを開発して競い合うイメージがあったのですが、意外と難しい技術を使わずにアイデア勝負で挑んでいるチームも多くて印象が変わりました。
かくゆう自分のチームもアイデア勝負側でしたが..。
First Stageで自分達のアプリが発表される時は周りとの差を感じそうで若干引け目を感じていたのですが、終わってみれば初心者に優しい窓口の広いイベントだったなと感じました。
総合すると各ハッカソンによっても趣旨が違うと思いますが、この都知事杯は気軽に参加できる雰囲気だったので初めてのハッカソンで参加できてよかったなという感想です。
来年3月まで社会実装フェーズで、まだ完全にハッカソンが終わったわけではないので引き続き楽しんで開発してきます。